2022年12月19日
HWSモデルガン 九四式自動拳銃 前期型 後編
HWS(ハートフォード)のモデルガン、九四式自動拳銃 前期型の後編です。
前編はこちら。

実銃の九四式はパーツ抜け止めの為、各部にポンチカシメがポチっと打たれているのでそれらしく再現してみました。

これらのポンチカシメは、フレーム加工のために開けられた開口部を塞ぐパネルの抜け止めに打たれています。
九四式はフレームの三カ所に大きな開口部がありますが、耐久性に問題はなかったのか気になるところ…。

フロントサイトのダブテール部にもポチリ…。

後部のパネルにもポチられていますが、このような処理が必要なこと自体あまり合理的な設計とは思えません。

8ミリ南部実包の威力は380ACP(9x17)と同程度か若干劣ると云われており、本来ならば構造が複雑になるロッキング機構がなくても成立するパワー感です。
ただロッキング機構があればスライドの引きが軽減され反動もマイルドになると云う利点があるので、近年の380ACPクラスは敢えて搭載する傾向にあります。

同時代の380ACPクラスの代表格、ストレートブローバックのベレッタM1934(WAガスガン)はシンプルで優れたデザインですが、やはり実銃はリコイルがそれなりにキツいみたいですね。
WAのM1934は久しぶりに手にしましたが、相変わらず小気味いいキックで精度も上々。
そしてアモの比較。
いろんな意味で諸悪の根源と云われている8ミリ南部実包(左)と現在でも護身用アモとして十分通用する380ACP。
8ミリ南部が無駄に大きな印象です。

この時代の小型ピストルのマスターピース、ワルサーPP(マルシンモデルガン)。
現代でも通用する実用性、そして高度な安全性を兼ね備えた当時としては奇跡のような存在だったと思います。

そして究極の小型ピストル、ワルサーPPK(MULEモデルガン)。
洗練されたデザインのPPKに対して、九四式の凸凹したフォルムは何やら工場のような建造物を連想させます。
結局それはロッキング機構を搭載して、且つ軽量化を図った結果らしいんですが、ちょっと考えすぎてしまった感は拭えません。

HWSの九四式は、ビンテージ・レプリカ・モデルガン・シリーズと銘打たれ、立体的な精密模型教材を目指して開発されたそうです。
以前取り上げたHWSのモーゼルHScもこのシリーズです。
HScは大きさに疑問があったんですが、九四式に関してはリアルサイズの写真と重ねても寸分の違いもありません。

子供の頃、拳銃図鑑に載っていた九四式は頭でっかちでグリップも妙に短いヘンテコな拳銃にしか見えず、とても握りにくそうに思えました。
ところが実際にはしっくりと手に馴染むし、全体的にスリムな事もあり銃との一体感すら覚えます。
日本人の手にフィットするようにデザインされていると云うことでしょうが、これも実際に握ってみないと分からないことですね。

九四式を語る上で避けて通れないのが、むき出し(!)のトリガーバーの前端が押されることで激発してしまう可能性があると云うこと。
いわゆる暴発ですが、HWSの九四式ではこの機能(?)をしっかり体験することができます。
昔からホンマかいな?と思っていましたが指先部をポチッと押すとあっけない程スムーズにシアがリリースされ、ハンマーが落ちてしまいました。
流石に実銃はもっとリリースに力がいると思いますが…。

それに加えてマニュアルセフティも曲者です。
日本製の銃器にしては珍しくセフティが片手で操作出来るので(笑)、それは良いとして…。
構造的には、セフティレバーがトリガーバー後部の動きを抑えるだけのシンプルなメカです。
しかし品質が低下した個体だと、抑え切れずにトリガーバーが僅かに動いてしまいハーフトリップ状態になる可能性があるそうで…。
そうなるとセフティオフしたとたん「ドカン」といってしまうこともあったようです(滝汗)。
操作している本人も危ないですが、周りにいる人たちも相当危険ですね。

上記のような欠陥は10年ほどの生産期間中に改良されることは終ぞありませんでした。
九四式はよく「自殺用拳銃(ザ・スーサイド・スペシャル)」などと云われますが、意味が良く分かりませんでした。
しかしGun誌1981年10月号のタークさんの記事で「チャンバーに装填した状態で携帯するのは自殺行為」旨の記述があり、「そう云うことか…」と腑に落ちた次第です。

良いお年を~
前編はこちら。
実銃の九四式はパーツ抜け止めの為、各部にポンチカシメがポチっと打たれているのでそれらしく再現してみました。
これらのポンチカシメは、フレーム加工のために開けられた開口部を塞ぐパネルの抜け止めに打たれています。
九四式はフレームの三カ所に大きな開口部がありますが、耐久性に問題はなかったのか気になるところ…。
フロントサイトのダブテール部にもポチリ…。
後部のパネルにもポチられていますが、このような処理が必要なこと自体あまり合理的な設計とは思えません。
8ミリ南部実包の威力は380ACP(9x17)と同程度か若干劣ると云われており、本来ならば構造が複雑になるロッキング機構がなくても成立するパワー感です。
ただロッキング機構があればスライドの引きが軽減され反動もマイルドになると云う利点があるので、近年の380ACPクラスは敢えて搭載する傾向にあります。
同時代の380ACPクラスの代表格、ストレートブローバックのベレッタM1934(WAガスガン)はシンプルで優れたデザインですが、やはり実銃はリコイルがそれなりにキツいみたいですね。
WAのM1934は久しぶりに手にしましたが、相変わらず小気味いいキックで精度も上々。
そしてアモの比較。
いろんな意味で諸悪の根源と云われている8ミリ南部実包(左)と現在でも護身用アモとして十分通用する380ACP。
8ミリ南部が無駄に大きな印象です。
この時代の小型ピストルのマスターピース、ワルサーPP(マルシンモデルガン)。
現代でも通用する実用性、そして高度な安全性を兼ね備えた当時としては奇跡のような存在だったと思います。
そして究極の小型ピストル、ワルサーPPK(MULEモデルガン)。
洗練されたデザインのPPKに対して、九四式の凸凹したフォルムは何やら工場のような建造物を連想させます。
結局それはロッキング機構を搭載して、且つ軽量化を図った結果らしいんですが、ちょっと考えすぎてしまった感は拭えません。
HWSの九四式は、ビンテージ・レプリカ・モデルガン・シリーズと銘打たれ、立体的な精密模型教材を目指して開発されたそうです。
以前取り上げたHWSのモーゼルHScもこのシリーズです。
HScは大きさに疑問があったんですが、九四式に関してはリアルサイズの写真と重ねても寸分の違いもありません。
子供の頃、拳銃図鑑に載っていた九四式は頭でっかちでグリップも妙に短いヘンテコな拳銃にしか見えず、とても握りにくそうに思えました。
ところが実際にはしっくりと手に馴染むし、全体的にスリムな事もあり銃との一体感すら覚えます。
日本人の手にフィットするようにデザインされていると云うことでしょうが、これも実際に握ってみないと分からないことですね。
九四式を語る上で避けて通れないのが、むき出し(!)のトリガーバーの前端が押されることで激発してしまう可能性があると云うこと。
いわゆる暴発ですが、HWSの九四式ではこの機能(?)をしっかり体験することができます。
昔からホンマかいな?と思っていましたが指先部をポチッと押すとあっけない程スムーズにシアがリリースされ、ハンマーが落ちてしまいました。
流石に実銃はもっとリリースに力がいると思いますが…。
それに加えてマニュアルセフティも曲者です。
日本製の銃器にしては珍しくセフティが片手で操作出来るので(笑)、それは良いとして…。
構造的には、セフティレバーがトリガーバー後部の動きを抑えるだけのシンプルなメカです。
しかし品質が低下した個体だと、抑え切れずにトリガーバーが僅かに動いてしまいハーフトリップ状態になる可能性があるそうで…。
そうなるとセフティオフしたとたん「ドカン」といってしまうこともあったようです(滝汗)。
操作している本人も危ないですが、周りにいる人たちも相当危険ですね。
上記のような欠陥は10年ほどの生産期間中に改良されることは終ぞありませんでした。
九四式はよく「自殺用拳銃(ザ・スーサイド・スペシャル)」などと云われますが、意味が良く分かりませんでした。
しかしGun誌1981年10月号のタークさんの記事で「チャンバーに装填した状態で携帯するのは自殺行為」旨の記述があり、「そう云うことか…」と腑に落ちた次第です。
良いお年を~
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